をまちながらの日々

演劇ユニット「をまちながら」公式ブログ

をまち朗読 ふりかえり12

朗読「風立ちぬ」の振り返り12回目です。

いよいよ死が間近に迫って来た節子を前に、幸福を形にするための小説の筆は止まります。自分の無力を感じ、取り乱しそうになる自分を抑える「私」と、そんな「私」の悲しみを見まいとする節子。

自分の心の均衡をギリギリで保ちながら最後の時間を過ごす2人は、すれ違っているようにも思えますが、互いを思い合っています。

心情を表すための過度な表現をせず静かに描きだすこの作品は、私たちに、その奥にある様々なものを想像させ、2人の関係を静かに見守ることが出来るものとなっていると思います。

 

次はいよいよ最終章、「私」のその後が描かれた「死のかげの谷」の前編です。

下記リンクからお聴き下さい。

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