をまち朗読 ふりかえり6
「をまち朗読」振り返り6回目です。
全体的に静かな2人だけの生活描写が続きます。このことから「私」が節子にいかに付きっきりでいたかを読み取れます。気が付いてみると季節も移り変わっている、という表現があるくらい、2人の生活を中心として、外の世界を見て感じています。
読み手として特にそういった表現をしてはいませんが、他の患者の死に不安を強くしたりほっとしたりする、そのある種、異様ともとれる「私」の様子が、皮肉めいた滑稽さをもって描かれているようにもとれます。このあたりは「私」に寄り添って読む姿勢にしているので、ハッキリと自覚できない不思議な感覚への微妙な戸惑い、に近いような感じで読んでおります(言葉で表現するのが難しい…)。
清水は、放っておくと、ついついキーが上がってアップテンポに楽しい感じになってしまうので、この静かな描写の多い作品に挑むにあたっては、かなりコントロールが必要です。
また、この回に限ったことではありませんが、「私」が心の中で自問し、考えを巡らる箇所は、この距離感で良かったのか? と、読み手としても自問してしまいます。
7回目の配信は「風立ちぬ」の章の4つ目。
2人の世界に外からの訪問者・義父が訪ねてきます。どうぞ、下記リンクよりお聴き下さい。