をまち朗読 ふりかえり11
振り返り11回目です。
世間から行き止まりだと思われがちなところから始まっている2人の幸福を形にすることは容易ではなく、「私」は改めて自分の思う幸福が独りよがりのものではないかと自問自答を繰り返します。
ここは、目に見えず触れることの出来ないものを形にする、ものづくりに携わる人間にとってはとても共感できる部分です。
肉眼でみたものを写真におさめようとしても、全く印象が異なったものになってしまいます。同じ「視る」という行為でも、それはまた別の表現媒体であるのです。
どこまでいっても肉体の感覚に勝るものはありません。しかし、その感覚を伝えたいと思い、皆、表現をしているのです。
作品中の「私」は、厳しい現実の中、必死に向き合うことで、この幸福を深めていけるのでしょうか。
次は「冬」の章の最後です。下記リンクからお聴き下さい。